2017年9月3日日曜日

モチーフとしての「レイプ」



厳しいレイティング認定の結果、観客層が限定されても、
過激さが商売になると考える向きもあるだろうし、
過激なモチーフこそが芸術の真髄を生み出すと思う製作者も....


手放しに肯定するような作り方は映像人倫理に於いて許されない。
AVだってレイプ物は「レイプは犯罪です」とかなんとか空々しく😤
従い、商業映画製作としては最新の注意を払うせいか、佳作秀作が多い(ように思えます)
あちこちを参照しながら、知の大伽藍を探し回るに、、、
多くの大物美人女優さんがエジキになってます。
一昔前なら、汚れ役御免清楚美人系ってありましたが、最近は流行らない。
えり好みをやっていれば役にありつけないし、
社会性豊かな過激問題作に出る事こそ、女優の勲章


シャリーズセロン(スタンドアップ)
モニカベルッチ(アレックス)
ジョディーフォスター(告発の行方)
ニコールキッドマン(ドッグビル)
ヴィヴィアンリー(欲望という名の電車)

そして
イザベルユペール(エル)

理屈が多いことに定評のあるフランス映画だし
個人主義の権化なフランス人の大女優の熱演。
ありきたりなレイプ映画ではないところがプロ映画鑑賞家を唆るのです。
しかし、此れ程被害者を含め登場人物に感情移入が出来ず、悪意を覚え不愉快になる魅惑的な映画とは
いやはやなんとも....苦笑
講釈はネタバレになるので、チョット話題をひねりますね(笑)



知らない間に改正性犯罪関連規定が施行されていた。
改正法公布から二十日後とはなんとも短兵急。
更に、非親告罪化は遡求されます。
遡求処罰は刑法原則違反と騒ぐのは勝手だが、これは実体法ではなく
手続法の事。
半可知なレベルで騒ぐと恥かきますよ。


今回の120年ぶりの「大改正」
まずはあの団扇の女性法務大臣の執念が身を結んだと言う事。
オスザル大臣だと多分出来なかっただろう事は語り継がねばならない。

暴行罪や強制猥褻罪は変更なしですが、

(準)強姦 → (準)強制性交等に構成要件変更
監護者性交等の罪の追加
集団強姦等の罪の廃止(単独でも集団並に処罰が厳しくなった)
非親告罪化
厳罰化(まず実刑しかなくなった)

とまあレイプ魔には恐ろしい事になりました。


強姦とは強制姦淫の略だとおもいますが、
姦淫と性交は違うとされ、更に「等」がつけば今迄強制猥褻罪が適用された様々な
類似行為が須らく対象になる(オスも晴れて被害者になれます)という
画期的な事なのです。
対象の有無の微細な説明はさておき、何処まで類似かという議論に関しては、
少なくとも強制猥褻罪の処罰強化で
対処すべきだった。

しかしながら、これで性犯罪がかげを潜めるかどうかはなんとも言えない。
処罰対象行為が拡大しても「強制」の要件は変わったわけではないそうだ。
暴行脅迫がなければ強制とは言わない。
強制の立証は検察側です。
密室の事ですから、なかった事と同じくらいあった事の立証は難しい。
暴行ならまだしも脅迫なんて身体にキズも残らない。

監護者であれば強制要件が緩和されるようだが、監護者の範囲は限定的。
体操やボクシングチームのコーチ等は該当しない様だがこれは如何か?
性犯罪の加害者の多くは顔見知りと言われる以上、強制要件の再定義を含め
積み残し課題だと思います。

非親告罪化については実務家からは疑問視もされてますが、
性犯罪の法益を深く考えれば、当然と考えるのが妥当だとおもいます。
しかしながら政府見解は相変わらず「性的自由の侵害」だと、、、
むかし学校では「貞操」だと教えられましたから多少は進化したか。


更に言えば、性犯罪者の再犯対策が付帯決議にない事の方が
問題。
出所後の一定期間はGPSの足輪を巻くくらいG7諸国では当たり前ですし、
この点ではあの半島国家に遅れをとっています。

アメリカは半分程度の州での実施にとどまるようですが、
刑務所の中で一番虐められる犯罪者らしいので、五体満足で放免される事はないらしい。
こういう「処罰」が、一番抑止効果あり!なんて
口に出して言ってはいきませんよね。

と言うことで、エルに戻りますが、
ユペール女史には厳罰化なんかの必要性を感じませんなあ(^.^)

















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